中国国民党の残党が住む村、バーン・ラック・タイ
レンタバイクでメーホーンソーンから曲りくねった峠を越えて約45㎞、「バーン・ラック・タイ村」 に到着する。
タイとミャンマーの国境沿いにある中国国民党末裔の村だ。これより先は道がない。
第二次大戦後、中国は共産党と国民党による内戦状態になったが、1949年には農民からの強い支持を得て、
共産党が中華人民共和国を樹立。一方の国民党は分散し、蒋介石は台湾へ逃れる。
残党の一部はミャンマーへ逃れるが、そこも追い出され、難民としてタイ北部の山奥へ辿り着いた。
1996年になってようやく武装解除を条件にタイ国籍を取得。現在ではお茶の栽培に従事している。
赤い土の道。村の中を馬に乗って散策することもできるらしい。
大きな葉で葺いた屋根と、わらを混ぜた粘土からなる建物は、素朴でこぢんまりとした造り。
中国茶を栽培し、中国の文化、習慣をきちんと守って暮らしている。
★バーン・ラック・タイ村
中国語の赤い文字や中国風の模様をあしらったティーショップがある。
こんな山奥の可愛いらしいお茶所でほのぼのとした時間を過ごすのもいい。
村の中心には、日用品のお店、観光客向けの中華料理店やお茶屋さんが数件並んでいる。
歩いている人たちの服装が中国国民党っぽい?
観光客は私と下写真の左側に写っている西洋人しかいなかった。
山の中にあるタイとミャンマーの国境
GPSを見ると、ミヤンマーとの国境はバーン・ラック・タイ村から小高い山を登った辺りのようだ。
未舗装の道を進み、数件の民家を通り抜ける。
牛の囲いの横を過ぎて、さらに山道を走ると・・・・・・草が刈られた少し広い所に出た。
長い竹棒の上にタイ国旗があがってる。
簡素な小屋に「 THAILAND 」 と書かれている。
小屋の横に立つ看板にはミャンマーと書かれている。ここが国境のようだ。 ・・・・誰もいなくていいのだろうか。
竹柵でできた境界線が一箇所だけ開いていて、ミャンマーへの出入口がある。
しばらく付近をウロウロした後、小屋の中に入って休憩していたら、機関銃を持った若い軍人が山の上からおりてきた。
パスポート提示を求められるかと思ったが何も言われない。
私が 「ここがボーダーですか?」 と聞くと、「そうです」 らしき返事。
「写真を撮っていいですか?」 と尋ねると、照れながら機関銃を胸に揚げポーズをとってくれた。
親切な軍人さん、ありがとう。
注意!! 帰国して外務省HPを見たら 拘束されなくてよかった。
『 タイ北部のミャンマーとの国境付近では、国境そのものが確定していない場所もあり、同地域に誤って入った場合、陸軍等に身柄を拘束されるおそれがあります 』